勢いで始めました…

十何年ぶりに宝塚にハマりそうです

2019年10月13日。紅ゆずるさん退団の日。

さゆみさんが宝塚を退団して1ヶ月が経ちました。


以下、当時の自分の気持ちの振り返りです。

いや、ほんとに、私の気持ちというか感情がダラダラと書いてあるだけで、さゆみさんの退団に捧ぐ、という感じのものではありませんし、さゆみさん以外の方のことはほぼ書いていません。


それでもよろしければどうぞ!







2019年10月13日、紅ゆずるさんが宝塚を退団された日。


前日の12日は台風上陸で前楽を含める公演が全て中止になった。


私はチケットをお譲り頂き11日の公演を観ることができたのだけれども、幕間に翌日の公演中止が発表された。

それを知ったことで、ショーが始まると、どうしても、「さゆみさんの男役としての公演もこれを含めてあと2回なのか」と思ってしまい、涙が溢れる。

悲しいというのとはちょっと違って、本当にもう最後なんだな、という実感が湧き上がってきた、という方が近い。

後方の通路に面した、ちょうど音波みのりさんが客席降りでいらっしゃるあたりの席だったのだけれども、はるこちゃんを間近で見てもどうしても涙が止まらずな私。

そんな私にも微笑みながら手をタッチして下さったはるこちゃん。

後から聞くと、組子の皆さんは開演前には翌日の公演が中止になると知っていたとか。

それでもいつもと変わらず底抜けに明るくて元気な星組パワー炸裂の公演と観客席に向かって、涙を拭う仕草をした後に両手でバッテンを作って微笑むさゆみさんに元気をもらい、最後には笑顔になれた。

さゆみさんを、星組を好きで幸せだったなと何度も思ったけれども、この日もそうだったな。



12日は、大きな被害を出さずに台風が過ぎ去ることを祈りつつ、千秋楽は無事に幕が上がるよう、ひたすらそれだけを祈っていた。

私は日比谷の映画館でのライブビューイング予定だったので、自宅から辿り着けるかも心配だったけれども、もう、ライブビューイングは正直なくてもよかった。

もし、予定どおりの時間に公演するのが難しいようならば、開演時間を遅らせてでもいいから、とにかく千秋楽の公演をしてほしかった。

運が良ければ、千秋楽後のパレードには参加できるかもそれくらいの気持ちでいたのだが。



20191013日は台風一過の快晴。

交通機関が心配だったので、朝早めに起きたのだが、頼みの綱の東京メトロの運休情報に、寝ていた夫を叩き起こす。

車で送ってもらう約束を取り付け(ありがとう!)一安心したところで、私が乗る予定のメトロは運転再開とのニュースが。

夫にもメトロの職員の方々にも感謝しつつ、なんだかんだ言いつつも諦めきれず前日から用意していた荷物を持っていざ日比谷へ。


また万が一電車が止まってしまっては困る、と、かなり早く出たが、ややノロノロ運転だったくらいで、無事に日比谷(正確には銀座駅)に到着して一安心。

劇場前のホテルでコーヒーを飲みつつ、ドキドキしながら過ごすいや、初めてなので。

贔屓を見送るのは初めてなので。

そのうち、周囲がほぼ、白服の女性ばかりなのに気分が高まりつつ、まだなんとなく、昨日の不安な気持ちを引きずっているという、変な感じ。


台風の影響で、通常の千秋楽と同じような入りとはならなかったけれども、さゆみさんは晴れやかなお顔で輝いてらっしゃった。美しかったな。


ライブビューイングの開始時間まで、さゆみさんファンの皆さんと過ごしたのだけれども、さゆみさんはたくさんの素敵なご縁も下さったなと思う。

ツイッターでしか知らなかった方々と実際お会いして、一緒にさゆみさんを応援できるなんて、とても楽しく幸せだった。


肝心のライブビューイングだが、細かい内容は正直なところ覚えていない。

始まる前、両隣の方々も紅さんとあーちゃんを好きな方だといいな、と思ったな、そういえば。


食聖は始まってしまえばあっという間で、もうこの場面?もうここ?の繰り返しだった。

さゆみさんのお芝居最後のせり上がり、最後の銀橋、最後の歌最後最後最後と思っている間にあっという間に最後の大団円へ。

さゆみさんのラストなのに、普通にお芝居が始まってお芝居が終わっていくのが不思議だった。


エクレールブリアン。

さゆみさんの最初のソロ、いつも以上にとてもとても丁寧に歌われているような感じがして、「ああ、ほんとに最後なんだな」となる。

ショーも始まってしまえば、星組らしい熱い熱い世界が繰り広げられるのだけれども、場面がはっきりしているからか、これが最後の1回なんだなという思いがより強くなる。終わりが近づいているんだな、と。

どのあたりから泣いていたかは覚えていないけれど(なんなら最初からだ)、さゆみさんが作り上げた星組の集大成ともいえるボレロは涙なしには見られない。その次のれんたと麻央くんの場面もだし戻って絵画のようなパリも、ラテンだってよい、ブエノスアイレス極楽鳥もあったねそして何と言っても三味線の音で始まる黒燕尾。

さゆみさんが1人大階段で、両手で燕尾をつまみ、顔を上げる瞬間。いつも、生で見るかオペラで見るか迷ったな。

ライブビューイングなので、そこは迷う余地はなかったけれど、さゆみさんの覚悟を決めたかのような表情の美しかったこと。最後の黒燕尾…18年間の男役のまさに集大成だった。

黒燕尾の振付、さゆみさんの素敵なところを全て引き出してくれるような振付で、羽山先生は凄い方なんだなと今さら何を言うというような感想を述べてみる。


デュエダン。さゆみさんとあーちゃんのデュエダンが大好きだった。

さゆみさんを好きになった理由のひとつに相手役のあーちゃんを見る表情がとても優しい、というのがあり。

いつもいつも2人(パッサァ)のデュエダンには、「これが見たかったのよー!」というものがたくさん詰まっていて、観ると幸せな気分になった。

そして、パッサァ最後の日にその幸せは最高潮に高まる。

さゆみさんがあーちゃんに「ありがとう」と言うのを見て、この2人の間に流れる空気がこんなにも素敵な理由を再確認した。さゆみさんもあーちゃんもお互いへの感謝の思いを忘れずに、常に舞台に立ち続けていたんだな、と。


さゆみさんの最後の大羽根、パレードは本当に記憶がないたぶん、最後最後と思いながら見てたのだろう。


サヨナラショーもムラのライビュの方が覚えているくらいだけれども、紅子さんのところでライビュの会場にも笑い声が溢れていて、わが家やキャッチミーでしみじみした後、アナワでパーっと終わり、極め付けの長過ぎる「チーーーーーーン」。

宝塚の男役としてこの劇場で歌い踊るさゆみさんを見ることは二度とないのだ、と号泣するところなのにさゆみさんの狙いどおりに笑ってしまう。

さゆみさんの温かい気持ちをそのまま受け取ってしまった。


退団者のご挨拶。


さゆみさんのところで、柚美さんが一瞬、涙で言葉につまったのはよく覚えている。


りらんちゃん、麻央くん、れんた、あーちゃん、それぞれ大変なこともあったのだろうけれども、タカラジェンヌをやりきったのだなと感じるお顔だった。


そしてさゆみさん。

宝塚歌劇団の生徒としての最後の正装の袴姿は忘れられない。


同期からのお花渡しのまぁ様との笑顔での会話も、どうしても泣いてしまうのも、それでいて、客席を盛り上げてくれるのも、あーちゃんへの温かい言葉も、どれをとってもさゆみさんそのものだった。当たり前だけど。

ムラではさゆみさんに涙を拭われていたこっちゃんが号泣せずに頑張っている姿にもぐっときた。

トップスター千秋楽の日は、次期へのバトンタッチの日でもあると思っているが、こんなに温かい空間で、バトンタッチが行われるなんて、宝塚はやはり素敵だ。


以前、ツイッターにも書いたことがあるけれど、私は、「紅ゆずるさんを好き」と言うのに対して「性格がとてもいいらしいね」などと返されることに抵抗があるタイプだった。私はさゆみさんの抜群の美しさと夢夢しいキラキラが大好きなのであって、性格が第一じゃないんだけどと。

が、退団公演を観る中で、私の気持ちは変わった。

退団公演のさゆみさんの舞台姿にはさゆみさんの18年間の全てが溢れ出ていたから。さゆみさんの芸はもちろん、人間性も。

退団公演期間中、この方のファンになってよかったなあ、と心から思う毎日だったのも、さゆみさんのお人柄があってこそだったのだろう。

お芝居の横になってのせり上がりから、紫色の羽根を背負ったパレードまで、最初から最後まで、さゆみさんの18年間の全てが詰まっていた。


出のパレード、その後のことなどなど、20191013日の思い出は尽きない。

一日の密度が濃過ぎて、たった1ヶ月前だったのが信じられないくらいだ。


さゆみさんの予定も続々と発表されているが、これからも私の想像もつかないようなことをなさり、変化もしつつ、でもきっと大好きな部分は変わらないんだろうなと思う。


短い期間ではあったけれども、宝塚のさゆみさんを応援できて本当に幸せだった。

いつも楽しくて嬉しくてパワーをもらってワクワクさせてもらって、マイナスの気持ちなんて1つもなかった。


たくさんの幸せをくれたさゆみさんに感謝しつつ、これからのさゆみさんも私なりに応援していこうと思う。


さゆみさんの幸せとますますのご活躍を祈りつつ、20191013日の振り返りを終了とする。


さゆみさん、大好きですよー!